不思議な樹のものがたり

「色と植物 / COLORE & HERBS」の物語ができました。

自分のロゴマークを作ることを通してやってきたおとぎ話です。

最近、おとぎ話や神話の中で語られるシンボル、元型の話から

ユングにつながり、そういえば大学のときにやってたなあ・・と思い出しました。

そして、今は元型からタイプ論へと。タイプ論は実はマーケティングで活用される

クラスタリングなどにも、影響してるんだろうと思います。選抜のために知能テストとか

TEGⅡとか…いろんな検査がされているけれど、この人はどういう傾向があるか。

は、実は各地に散らばる神話や民話、「おはなし」の中の登場人物が

饒舌に語っていることが多い。

大学時代の心理学は無駄骨だったと思っていたのですが、意外とそんなことも

なかったみたい(笑)

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むかしむかし、あるところにとても不思議な形をした樹がありました。3本の樹の枝と幹、そして根までが絡まり四方八方に伸び放題。さらに不思議なのはいろとりどりの葉がついていること。

赤、ピンク、青、紫、その葉は、時により日によりみる人により、様々に色や形を変えていくのです。そして、樹の中心には、いつも青い鳥が宿っていました。少年が森で迷い、けがをしたときに不思議な樹に出会い、けがが治ったとか。足の指が一つなかったウサギの指がこの樹の根に触っただけで生えてきたとか。葉に触れただけでおばあさんの難聴が良くなっただとか。

不思議な樹の噂にはいとまがないのですが、だれもどこにあるのか?どうしたら樹を見ることができるのか、知るものはいませんでした。

人々の噂を聞きつけた王様が、この樹を探して自分の城に植えたいと思いました。王様は、あたまのいい家来に場所を計算させたり、体力のある家来を世界の町や村に派遣して聞き込みをしたり、色々な方法で樹を見つけようとしたのですが、見つかりません。

王様は、しびれを切らして、自ら探しに出かけることにしました。選び抜かれたおつきのものをつれ、沢山の食料を積んで出かけました

旅は困難を極め、最も北にあるとてもとても寒い村に到達したとき、王様は高熱を出し倒れてしまいました。

村長の家のベッドの中で寝込んで3日目の夜。王様は夢を見ました。王様のおへその下、指三本目あたりのところがなんだかムズムズするのです。視線を移動させてみると、あの不思議な樹が王様の目の前に「ポン」と現れ出ました。

黄金色に輝く、幹と葉がそれはそれは美しくて、思わず王様は見とれ、ずっとそれを眺めていました。それから半刻ほどたったころでしょうか?

王様は、黄金の葉がひらひらと舞い落ちる樹のふもとに座っている自分をどこか上のほうから眺めていることに気が付きました。その瞬間、ぱっと一気に目を覚ましました。目が覚めると、不思議と熱が下がって体の痛みもなくなっていました。

王様は、すぐさまいちばんえらい家来を呼ぶと「もう樹は探すのはやめたので城に戻ろう」と言いました。家来は「どうしたのですか?あんなに欲しがっていたものを」とげげんそうに王様に聞きました。

王様は、すこし照れくさそうに笑いながら家来に「もう持っていた、ということに気が付いたんだよ」と言いました。

 

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